変容する占い師の存在価値
政治を司るため古代から占いは行われていて、巫女や神官によって占いの結果が告げられ進むべき道や制作が決定されました。
占い方法が定まっていない時代には、身近にある自然物を用いて占いが行われ石や動物の骨などを使っていました。集団の中から代表者が選ばれ儀式にあたりました。選ばれるのは霊感が強かった者で、次第に占いをすることが職業として定着しました。これが占い師の原型で、巫女や霊能者の側面を持ち合わせた存在です。
現在の占い師と異なり宗教的な側面が強く、アニミズムの要素も感じられる段階です。
天文学が発達していた西洋では、星の動きを利用した占星術が生まれ、為政者が政治のために占いを使用しました。日食や月食などの天文学的現象を予め知って予言し、特別な能力を持っているように振る舞い信頼を得ます。特別な存在であるように振る舞うことで人身を掌握し国をまとめていた例は、占いのふりをした予言の特殊な例です。病人を治療するための呪術師も占い師の原型の一つで、病人の悪い部分を霊感によって察知して治療に当たりました。民間レベルでも村単位で呪術師が存在し、病気の治療や祭事に駆り出されました。
中世になり町人の生活に余裕が生まれると、町人の悩み事に相談にのる職業が現れます。狐や守護神の力を借りて悩み事の解決を図る職業は霊感占いの源流で、今でも残っている職業です。中性になって占いのバリエーションが飛躍的に拡大し、易や干支、手相、姓名判断など今日行われる占いの基礎が出来上がりました。比較的身分の高い層が占いで未来を予測し意思決定の手助けにしました。占いを行う者は貴族に召し抱えられ、貴族が政治的判断を行うたびに呼び出され占いをしました。貴族に召し抱えられて占いをする過程で占いの形式がかたまり、中央で行われている占いが地方にも波及しました。国は違っても世界中の占いには共通点が見受けられるものが多く、交易があった地域間で占いが普及していく過程が伺えます。専門職が強く一部の知識人にしか知られていない情報や技術を用いて占うので、中世から近代にかけては、占いの知識を得るためには弟子入りすることが必須であり、占い師は特別な存在として畏怖の対象でした。
現代になると一般庶民でも書物を通じて様々な情報を得ることが可能になり、占いの知識や方法なども容易に入手できるようになり、情報端末の普及で気軽に占ってもらう環境が整い、占い師は身近な存在に変容しました。
